🥐飛び出せ!くり〜むパン🥐

異端児パン職人の〜けっこぅ波瀾万丈記〜

【🥖オートリーズ 編】

【🇫🇷オートリーズとは🍞】


この製法はパン生地の
伸展性・窯伸びを良くして
結果的に時間を短縮させる
製パン法です。


パン教室をされている先生方でも

理解しきれていないまま

生徒さんを煙に巻き
パンを教えているのを時々見掛けます 


さて本題に…


小麦粉と水が纏まる迄

程良くミキシングし

インスタントイーストなら

ミキサーを止める寸前に投入し 
水気がイーストに触れる様にしたら 
オートリーズに入ります。

 

イーストの種類で
オートリーズ時間が変わります。

 


インスタントイーストなら

(多糖用のセミドライイーストも含む)
イーストの周りの殻から水が浸透し、
イーストの活動が始まる迄大体15分程掛かります。

 

又、同じ時間程で

小麦粉の粒の中心に
水分が浸透します


よって、よく30分〜かける方が居ますが その間に イーストが活動を始めてしまい意味がありません。

 

15分もオーバーしている為

どんどん酸化が始まるのです。


また ドライイーストを使用する時は
オートリーズ終了後に投入

 

ヴリオッシュ等で

イーストを使用する際は

オートリーズ後に
直ぐミキシングを始められる様に 
イーストを生地の上に置いておく感じです。


そしてオートリーズ後に

ミキシング再開し混ぜながら

 

塩を少しづつ振り入れ

生地を完成させて行く
と言う製法なのです。


この製法を行うと、
生地の伸展性と

釜伸びのする生地になり

実際オートリーズ無しより
時短に繋がります


この製法は、
フランスの国立製粉学校名誉教授の
レイモンカルベル氏が考案したもので、
フランスパンだけでなく
配合に調整は要りますが、
製パン理論が把握出来ていれば
色んな生地に応用出来ます。


カルベルさんが 
フランスから連れて来た 
お弟子さんの1人に 
シモンパスクロウさんが居ますが、よく 菓子パン生地の仕込みでも


『☺️オートリーズね〜ィ 』


と言ってた事もありました…
(昔K-1の格闘技選手のアンディフグ似)


いまだに変わらぬ 古いながらにも今も
普通にパン職人が実践しています。


オートリーズをした生地は
そうでない生地と 雲泥の差があり
実際に窯内で発揮され 
思い知らされます。

 


加える後塩の働きは、
一つには味ですが、それ以外にも
重要な役割を持って配合されています。


それは


・パン生地を引き締める効果
・クラストの着色を良くする
・パンの風味を良くする
・保存性を良くする


また塩についてはブログ内の
塩編で述べますが、


塩は吸湿性がある為
湿度の高い日はクラストを軟化させます。


なので 湿気が多い日には 
空気の流れを善くするべきです


また塩のマイナス面は他ページで
紹介します 。


引き締めるとは、
小麦粉のつながりの強い生地に
してくれます


ですから、
より膨らみの良いパンにする為には
塩は欠かせないと言う訳なのです。

 


では、後から塩を入れるとどうなるのでしょうか ?

 


それは、上記とは逆で
塩が入るまでは
引き締まらない・・・・
つまり
弛むと言う事になります。


なぜゆるむのが良いのか ?


それはその方がイーストが塩に邪魔されずに モルトと言うイーストのパワーの源✨
イーストの小さい口に入り易い大きさの
糖を唯一 サービス出来るモルト


いきなり食べられる一口サイズのモルトをスタートダッシュ
ドンドン食べながら


オートリーズ中、のびのびと 
良い生地になる為に
準備しているのです


そして いい気に成ってイースト達が
活動を始めるタイミングで


喝を入れる為に


塩の鬼コーチを入れ引き締める
と言う感じです

 

さらに、適度に引きを落ち着かせる事で
オーブンでの膨らみ過ぎを抑える
と言う効果もあります

 


また、良く膨らむと言う事は
生地内の糖をイーストが消費しているので
こんがり色付く元の糖が無くなって行き、クラスト(外皮)が色付かなくなります。

 

フランスパンを美味しく仕上げる技術と
理屈は、実に繊細なのです


それだけに、理論を理解すると
パンを自在に出来始めると
私は思うのです


オートリーズ・後塩法も
ビックリするような美味しさを産む
訳ではありません。


ほんの少し旨味をプラスしたり
作業性に一役買ったりする程度です。


ミキシングの後には 
パントラディションでの次の大仕事


パンチ が出て来ます。


このパンチの仕方で
焼き上がるパンの風味、食感、
姿を左右する工程があります。
パンチも又、ブログ内で紹介します


パン好きさんは、
パン生地自体の美味しさに
実に敏感なものです


何が美味しいパンなのかは
個人の好みですが、
具とパン生地の旨味をはっきりと区別して購入されていくお客様には
ごまかしは通用しないのです


そんな、パン生地本来の美味しさを
徹底的に求め続ける人の為にある製法が
このオートリーズと
思われがちですが


今現在この製法をこだわっていらっしゃる方は、意味合いを十分理解して継続していただけたらと思います


また、フランスパンは作らないと言う方には、なんのこっちゃ解らん話で恐縮でした


ただ、家庭で もし、うなずけるような
本格的なフランスパンが出来たとしたら、その方はきっと
なかなかのベーカーだと思います。


オートリーズ然り。


製パン理論を知る事は
最強です …


引き続き 御歓談ください

それでは…また       👋👏

 

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